sAi memories

No Art No Life❤

mind travel(小説)

いつからだろう。

僕が僕でいられなくなったのは。

 

 

誰にだって嫌いな人、苦手な人はいる。

そこには恨み、憎しみ…色々あるかもしれない。

僕自身もともとは嫌われていた身だ。

だからこそわかってやらなきゃいけなかったんだ。

あいつの思いを…。

 

 

「もうあいつなんて知らねぇ」

後悔してる。

そんなこと言ったの。

だって、まだ、好きなんだ

 

僕は本当に情けなかった。

あいつが助けを求めていたのにもかかわかず、対したことないときついことを言って苦しめた。

だからなんだろうけど何故か心はすっきりして晴れ渡っていた。

僕の心だけが。

大好きなあいつの心が晴れなければ意味がないのに僕だけがすがすがしい気持ちでいた。

 

当然嫌われる。

 

その頃は嫌われる理由がわからなくてショックと怒りがふつふつと湧いてきた。

だから「あいつの裏を見た」と称して嫌いになった。

そう割り切ってあいつから離れたかった。

 

僕は弱い。

だから嫌われていく自分を見ているのが怖かった。

だから…一層あいつに惚れ込んでいたのが今になってわかる。

今もまだあいつが好きで好きでどうしようもないんだ。

離れようとするほどにあいつへの想いが募っていく。

あいつに触れたくて仕方ないんだ。

 

でももう戻れない…。

 

あいつに会うのすら今になっては怖い。

好きだからこそ何か言われるのが怖くて、耐えられなくて、それに…プライドがある。

僕が負けたみたいで嫌なんだ。

もとから負けているのかもしれないけどあえて知りに行くみたいで、そんなの許せない。

 

だからといって僕が招いたことだ。

僕自身がなんとかしないことには何も始まらない。

…仕方ないんだ。

もしかしたらこれは僕が負けるというのは無くなるかもしれない。

 

気持ち…勝ちに行こう。

そのためにまず話さないと、話しかけないと。

 

 

大好きなあいつに。

ありがとうございます