I wanted to ignorance(小説)
泣いている子供を見て何を思うだろう。
私の大きいと思っていた手は今はとっても小さく思える。
きっと、幼かった頃の自分に逢いに行っているんだろう。
だから泣いてる子供を見て自分が必死に母親に縋った姿を思い出したのだろう。
だから私の手はあの頃の自分が必死に沢山ありすぎてこぼれちゃいそうな量のものをこぼさないように掴んでいたのを思い出したのだろう。
今の私は沢山の抱えきれないチャンスを沢山こぼして、最終的には全く残っていないんだ。
出来るものなら幼い私でいたかった。
「子供だね」と言われる友人を見て羨ましくなった。
いつまでも何にも知らない無知の私でいられたらそれでよかったんだ。